主人公二人が出会う場面の舞台となるアイス屋さん。
「今日コッペリアでアイス食べていたら変な奴に声かけられた」
イチゴは女の子の食べ物でイチゴのアイスを食べていたから「間違いなくそいつはオカマだね」なんて会話が出てきます。
この映画、ベルリンで銀熊賞、スペイン・ゴヤの外国語映画賞、アカデミーの外国語映画賞(ノミネートのみ)と
キューバ映画史上最大の評価を得ていると思います。
そんな訳でコッペリアは外国人と言うよりもキューバ国内で最も有名な場所になっています。
私はスペイン語を勉強するのにこの映画を繰り返し見、セリフを聞いていたので
今回どうしても訪れてみたく一人で朝早い時間に訪れてみました。
ちょうど宿から歩いて行ける距離だったので20分ほどかかってたどり着くと9:50、開店10分前で長蛇の列。
実はガイドブックには24時間営業、なんて書いてありましたが変わった様です。
ガイドブック(地球の歩き方)には、外国人は外のキオスクでしか買えない、とも書いてあるけど
これはもう並ぶしかない。
並んでほどなく10時を過ぎると一斉に人がなだれ込む、
どうやら並んでいた列は席取りの列だったらしく、、
いや、席につかないでただアイスだけが食べたい、と他の人ごみに紛れると、、
建物の中に入りみんな屋内の席を我先に、と座り、、
仕方なく私も席に着きました。
しばらくすると壮年の男性が「ここ空いてる?」とご相席。
おじさん、腕を組んで特に私に話しかけるでもなく
たいていアジア人珍しいから声をかけられる事が多いのだけど、、
あまり話好きではないのかしら、、としばらく沈黙。
でもふと振り返る。
半年間勉強したスペイン語も、あと数日すると使わなくなる。
勉強している間、とうとう日本では使う機会がなかった。
帰ったらもう話す事もないかも
そう思ったら今話さずにどうする?と
意を決して「Ola,(ハイ、)」
この一言でおじさんの表情が変わった
「Son,Cuban?あなたはキューバ人ですか?」
すると「Si,y no」そうだけどそうじゃない、と。
聞くとスペイン生まれで50年前位から移住していると。
もうそれってほとんどキューバ人じゃない、、
でも革命時にいた訳ではないので移民扱いなんだって。
ハバナはいろいろ見て周った?
キューバは気に入ったか?と質問してくる。
一通りの会話が終わったところで「私は日本の画家なんです、あなたの絵を描いてもいいですか?」とお願いして一枚。
(ところが今度は墨を入れて筆を忘れる失態、、またもやペンで描くことに)
ほどなく仕上げた絵を前に「素晴らしい」と破顔のおじいさん。
その後ろで目を丸くしている少年、では次に、とそのご家族を描く。
同時にアイスが届き、ポーズを取っている少年のアイスが溶けてしまうので急いで仕上げ渡しました。
Olaの一言で世界が広がる
扉は見えなくてもすぐそばにある
キューバで描いた2度目のスケッチでした。
ところでコッペリアのアイス、何の気なしに頼んだら
5タマ、これで5peso=20円です。
どうも外売りの販売はなくなって外国人でも頼めるようになったみたい。
向かいのおじいさんは二皿!キューバ人はみんな二皿以上食べています。
味はmaravilloso!(素晴らしい!)の一言、とってもおいしかったです。
もちろん、イチゴ味をいただきましたよ。